桜解き

御所解(ごしょとき)文様とは、を簡単に説明するのは難しいです。こんな感じのものですということで、現物をご覧いただくのが一番早いというところは、琳派を説明するときに似ています。小さな草木や花の柄が多くあって、その中に庭園や御所車や御簾やいろんなアイテムが紛れ込んでいるのもあります。

博物館にある昔の小袖には、御所解文様のものを多く見る事ができます。江戸時代の裕福な武家の女性は(当時は御所解という呼び方はしていなかったようですが)この文様の中に、好きな物語のアイテムなどを配して教養を競ったともいわれています。

何故、御所解という名前がついたのかは不明ですが、隠されたテーマを見つける謎解き的意味もあるのかもしれません。ちなみに、公家が着ていたのが御所解で、武家が着ていたのが江戸解という説は、昭和の時代になって、知ったかぶりの人が勝手に作った作り話らしいです。御所解も江戸解も同じと解釈して良いと思います。

御所解は四季の花木が描かれていることが多いのですが、その中でも季節限定の花にして、さりげなく季節感のこだわりを盛り込むという小技を使うことがございます。小さいけれど、描かれているのは桜と松のみということで、春の中でもさらに限られた期間限定です。桜も浜松では散り始めていますので、桜柄は着納めです。

バットレス

たまに「記者さん」と話しをする事がございます。そんなときシミジミ思うのは、男性は着物のことを、全くわかっていないなあ。という事です。着物と帯という言葉は知っていても、それ以上の事はご存じない。留袖も訪問着すら説明するのに一苦労、帯締や帯揚くらいになると、目が泳ぎ、日本語が通じない感じになります。マンツーマンじゃなければ、寝てしまうんじゃないかと思うほどです。

女性記者の場合には、天と地の差があります。少なくとも基礎用語の説明は省けますし、比較的早く本題に入っていくことができます。男性記者の場合は、本題に入る頃には、頭の中が情報でいっぱいになり、新しい情報を処理しきれなくなって理解するところに至らず時間切れ、いや、時間はタップリあっても、それだけの情報があれば十分と思うのでしょうけど、消化不良状態は否めません。

案の定、出来上がった記事をみると、的を得ていない。というケースがございます。女性の場合は振袖体験を通じて着物ワールド基礎知識を身につけられたという場合も多いのですが、何も体験していない男性には、いくら説明しても、超えられない壁があるように感じます。一人で岩壁を登っている気分です。ひょっとして、観光地でレンタル着物を着ている外国人のほうが着物リテラシーが高いかもしれません。

もちろん、男性でもしっかりした知識を持ち、着物を着た経験が豊富な記者さんもいらっしゃるのですが、世の男性の大半は着物のキの字も知らないし、興味もないという方が多いのではないでしょうか?百聞は一見にしかずと言いますが、着物を知るためには着ることが最大の近道かもしれません。

女性記者であっても、がっくりしてしまう事もあります。帯締めの説明をしたつもりが、掲載された記事には、帯締めでなく「ひも」になっていて、、、、、岩壁から落っこちた気分でした。

春秋

春秋文様というのがございます。春と秋の柄が混ざってるもので、春秋文様の着物なら春でも秋でも着られるという便利な柄です。似たようなものに四季の花文様というのも、色々なお花尽くしで、着る時期を選ばないというものです。もちろん、袷の着物を真夏に着るというのは、着るのも暑くて大変だと思いますが、、。

春秋文様では、菊と梅とか、紅葉と桜とかが代表的です。わかりにくいけど、山吹と萩とかも春秋といえます。桐と菊の組み合わせは桐の花は初夏だけど、春秋の一種といえると思います。変わり種として、楓だけで春秋を表すと青楓と紅葉が混在しているものがございます。

京濱の庭にも、今まさに楓の葉が芽吹いてきております。5月になると若葉が茂り、新緑の季節になり、青楓のみの柄なら単衣の着物に最適といえます。逆に、真っ赤な紅葉の柄の帯だったら秋の季節限定となります。

春と秋が一緒になったり、四季の花が咲き乱れるというのは現実では起こり得ない事です。今は科学の力でそんな事も可能かもしれませんが、あり得ない桃源郷のような風景というのは一瞬の吉祥柄という意味もあるのかもしれません。