ミカンアカン

呉服まわり禁制アイテムその2です。むかし、駆け出しのころ、呉服屋組合の集まりで合同展示会があったとき、展示会場の控え室でのできごとです。誰かが差し入れしたミカンがテーブルの上に置いてありました。古参の呉服屋Aさんが、食べろ食べろと勧めてきます。すると、近くにいた、クリントイーストウッド似のこれまた古参の呉服屋Bさんは、いぶし銀の声で、「こんな所でミカンを食っちゃいかんぜぇ〜」と呟きました駆け出しの私には、そのセリフがとても印象に残っています。AさんとBさんが犬猿の仲であったわけでもなく、BさんがAさんに喧嘩を売ったわけでもないく、単純にBさんは正義感から言ったのでありますが、その理由は、ミカンの果汁や皮に含まれている液は強い酸性であり、それが、売り物である染物や織物につくと変色の原因になるからであります。控え室なので、そこに商品はないのですが、手に汚れをつけたたまま、商品を触れば同じ事ですし、油性分も含まれているので、水で簡単に手を洗っただけでは、取れない事もある。というわけです。実際、油汚れ用に洗剤に柑橘系オイルが入っているものもあります。そんなわけで、皆様も着物を触る時にには、綺麗な手で触りましょう。長持ちの秘訣です。