
6月後半に差し掛かりました。着物は単衣でも、帯は夏帯になっても後ろ指刺されないでしょう。こだわりの方は、もう少し夏帯を遅らすかもしれません。袷用でも夏用でもない単衣に最適化した素材を楽しむのです。
大雑把に、早く始めるのは良いといって5月から夏帯を締めたりするのは、「なんだかな〜」ですが、それは置いといて、夏帯というと「絽綴れ」を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか?
京濱は基本的に絽綴れを扱いません。なぜかというと、外国産の安物が出回りすぎて、そこいら中にあふれていた時期があったから。卸値数千円のものが、量販店でン万円。ン万円でも国産の手織りのものに比べたら安い。
呉服業界も、人気のあるものには砂糖にむらがる蟻のごとく業者が注目して生産されます。海外で同じ様なものを粗悪な材料で大量生産したり、絹ではなく化繊で作ったりして、よく見れば、手作りされた上質なものであることは解っても、ぱっと見に安物と変わらなければ、良いものを纏っているという自己満足も半減します。
そんな例はほかにもあり、江戸小紋の鮫小紋などは代表例。化繊のプリントものの江戸小紋といえば、ほとんどが鮫小紋。人間国宝の型で人間国宝の染めでつくった鮫小紋は確かに深みはありますが、あえて鮫にしなくてもよいかな。と思ってしまいます。
着物には、メジャーになっては値打ちがなくなるという一面があります。常に新しいものを提供していくというのが呉服屋の使命。とっても良い出来で、お客様も着ていてすごく褒められたというものでも、同じものを作ってはいけません。希少性こそが美徳です。


