初夏の実り

昨年末に買った鉢植えの桑の木に実がなって、真っ黒に完熟した甘ーいものだけ摘んで食べるのが毎朝の日課になっています。お蚕さんを1匹でも連れてきたら、あっという間に葉っぱを食べ尽くされそうですが、実がなくなったら、葉っぱにも体にいい成分があるようなので、天ぷらにして食べようと楽しみにしております。

半世紀ほど前、小学生だったころ、社会の授業で地図記号を覚えたとき、桑畑のマークがやたらと出てきて、どこにそんな畑があるんだあ?と、その当時には地方の浜松にも、既に桑畑なんぞどこにもなく、そんなものを覚える意味があるのか?と思った記憶があります。

昔は全国どこでも蚕を育てて絹を作っていたのでしょう。今や国産は1%以下。輸入品は中国やブラジル産がほとんどで、今の国際情勢をみれば、絹というのも不安定な資源になるのかもしれません。すでに、ここ数年、絹の価格は上昇ぎみで、この円安でさらなる値上げもほぼ確実の様子。

絹作りは桑作りです。農業です。桑の葉をたくさん食べて蚕が大きくなるので桑畑がたくさん必要です。かつては世界一の生産量だった日本の絹。でも養蚕はキツイ、汚い、くさい?の3Kのようで中々大変なお仕事ですが、国産を見直すのも呉服業界の課題なのでは、、。

絹にはバイオテクノロジー方面にも新たな使い道があるようですし、もう一度、小学校生が桑畑の地図記号を覚えるくらいに緑豊かな景色が復活すればいいなと、桑の実を食べながら思う今日このごろです。

色彩シャワー

さんざん京都に行っていたのに見逃していた「上野リチ展」をお江戸にて観賞致しました。第二次世界大戦前後に活躍したデザイナーさん。どこかで見たような感じがしたのは、現代にあふれているデザインの源流のほうの人だったからなのでしょう。色彩のもつチカラは人の心を和まします。心が安らかになり、日常で溜まった心の垢が洗い流されていく感覚。暗い美術館の中で優しくライトアップされた作品という展示の設えによるところも多かったのかもしれません。

ウイリアムモリスのデザインを帯に取り入れている作品がありますが、上野リチさんっぽいのも帯にしたら面白そう。著作権的には完全パクリもできるのかもしれないけど、インスパイアされた独自デザインで楽しい柄ができそうです。

日本人男性と結婚して上野になったリチ(フェリーツェ・リックス)さん、ほぼ同世代で同じウィーンで学んだ陶芸家ルーシー・リーさんとは動と静という感じですが、あの時代のオーストリアには、かの独裁者をふくめ何かのパワーがあったのカナ?

生存確認

3年ぶりの国展に行きました。朝イチの六本木は夜と違って爽やかです。国展といっても見るのは、ほぼ工芸部のみ。新たな作家さんが出てるかな?とか、推し作家さんがどんなものを出しているのか?という期待をもって、、、。

3年前と同様に、着物や帯じゃなく、大きなタペストリーみたいなものが多いなあ〜、こんな大きなものはどこに飾られるのでしょう?という中、我らが推しの、斉藤佳代子さん、森田麻里さん、岡本紘子さんの作品は、やっぱり良かった。国展じゃなくても、この方々の作品は拝見する機会があり、お客様へご縁を繋がせていただいておりますが、こうしてたくさんの作品が並ぶ中で、改めてその力量を感じることができました。

また、ここでしかお目にかかれない作家さんの作品もあり、お会いしたこともなければ、どんな方かも存じあげないけれど、相変わらず、ご自分の世界を追求されておられるということに安心感というか、継続することへの共感を感じ、チカラを頂くことができました。

個人的に好きな造形物の部門は、今年はイマイチだったですが、それでも、自分でもこんなの作ってみたいと思えるヒントを頂いてまいりました。