
1、着物の基準寸法
お着物は洋服に比べるとアバウトで、女性ものの場合多少の大きい小さいは着付けでカバーできます。(男性ものは、おはしょりがないので、身丈はきっちり合わしたほうがいいです。)とはいえ、それにも限度があり、やはり、お身体にベストな寸法のものは着やすいし、おさまりがよく見栄えも良いです。
着物寸法は襦袢と羽織の寸法と連動しています。裄は着物より襦袢のほうが少しだけ短く、羽織は着物より少しだけ長くしますし、袖丈や袖巾も、微妙な寸法の決まりがあります。これがあることで、着姿が美しくなりますので、寸法のバラバラ同士の着物と襦袢を着てると変なところから襦袢が飛び出てたりして、かっこ悪くなります。
という事で
着物の寸法は、自分の体に合わして基準寸法を決める。
全ての着物は自分の基準寸法に統一する。
という2つが着物寸法の基本です。お手持ちのものが自分の基準寸法になっていれば、着物と襦袢、羽織やコートの組み合わせを変えても大丈夫だからです。
身幅や身丈は若干バラバラでも支障はないですが、裄、袖巾、袖丈に関しては、着付けで調整できないので最低限ここだけは合わしておくのがオススメです。
2、着物の寸法直し
ほとんどの着物は巾1尺(約38cm)、長さ3丈2尺(〜6尺:12m~13.5m)のいわゆる1反の布からできてます。それぞれのパーツは直線に切ってあり、切り落として使わないところがないので、解いてつなぎ合わせると元の反物の状態に戻ります。
というわけで、小さい着物を大きく、大きい着物を小さく仕立直すことができます。ただ、昔は小さい着物を作るのに余分な部分を縫い込まず、裁ち落として他の物を作るのに使ってしまったという場合は大きくするのにも限界があります
裄直し、袖丈直しだけならば、部分的に解いて直します。身丈や身幅を直すときは全体を解いて直します。どこを直したいかによって、費用も変わります。
譲られた着物や襦袢などを自分寸法にしたい、リサイクル着物の寸法直しをしたいというご要望もお気軽にご相談ください。
お母さまなどから大量に着物を受け継いだが、どれが自分に合うのかわからないという場合も、寸法と用途、襦袢との組み合わせを含め、直す必要のあるなし、どこを直したら良いかなどをご提案させていただきます。
3、着物の染め替え
絹の着物は染めた色を抜いて、別の色に染め替えることができます。無地に染めるだけでなく、柄物を染めることもできます。また、今の柄の上から色を上塗りすることもできます。いずれの場合も一旦解いて、元の反物の状態に戻してからの作業になり、染め直した後に仕立直す事になります。(仕立て上がりのまま、染め替える方法もございます)
もう着なくなった着物を全く違う色にしてもう一度現役に戻す。または、気に入っている着物だけれど、少し派手だから色を少し掛けて落ち着いた雰囲気にしたい。などなど、着物を使い倒すというか、貴重な資源を大切に使う色々な方法の一つです。
4、刺繍足し
着物には刺繍をしてあるものがあります。今お持ちの着物に刺繍がなくても、刺繍を足すことで新しい雰囲気を楽しむ事ができます。身頃、胸元、後ろの肩や、袖口の近く、たもとなど、お好きな場所でご希望の柄の刺繍を入れられます。
5、染めの柄足し
留袖や訪問着には染めの柄が大きく描かれています。こういう着物を身幅を大きくしたいときに、広げようとすると、柄が欠けるという場合があります。そんなときは、柄の繋がりを自然なものになるように柄を描き加えることで大きくしても違和感のない仕上がりになります。
6、洗張り(あらいはり)
前述のように、全ての着物は一反でできていいます。仕立てを解いて(縫い糸をはずして)繋ぎ合わせると元の反物に戻ります。この状態で水洗いします。洗うと縮むので、所定の幅にのばして仕上げると綺麗になります。この作業を<洗張り>といいます。仕立て直しや染め替えなどはまず洗張りを行います。
7、漂白
白い襦袢など、染めていない絹は表面が経年劣化して黄色くなってきますが、漂白を行うことで元の白さに戻すことができます。基本は洗張りをしてから行いますが、仕立て上がりのまま行うこともできます。
