つむぎちゃん

先日、「11月15日は着物の日だから、1日着物で過ごすのだ」と朝に着付けをさせていただいた、殊勝なお客様がいらっしゃいました。ちょうど大島紬のナントカ120周年ということで大島紬をお召しになられましたが、「春大島・秋結城」というくらいで、少し冷えてきた今日この頃に、大島はちょっとヒンヤリしたというご感想でした。

ところで、「つむぎ」という名前が女の子の赤ちゃん名前ランキングで1位入りしましたが、紬の意味を知ってつけているのしょうか?それとも単に響きがいいからなのか?私が好きなSF漫画「シドニアの騎士」に出てくる宇宙生物のつむぎちゃんに国民的人気があるとは絶対ないと思うし、謎です。ちなみに人気ランキング入りしている名前には「のぶなが」とか「まさむね」といった4文字はないので、3文字や2文字が人気らしいです。

ところで、紬って着物ファンにとては、着てみたいと思うアイテムのようですが、色んな紬があるというと色々ありすぎて混乱される方もいらっしゃいます。混乱といえば、、例えば、大島紬という紬があるとすると、大島紬という紬の作り方があって、その作り方に従えば、どこで作っても大島紬になるという「誤解」もあります。えー、大島紬は奄美大島と鹿児島市と都城市で作られていて、決められた検査に合格したものを言いますが、それ以外の土地で作られたものは、、、バッタモンです。

大島紬など、経産省の指定する伝統工芸品指定された紬は多くなく、その土地に根ざした様々な紬や、一人の作家さんが生み出す紬まで、風合いも色使いも様々でそこが紬の面白さですが、バッタモンには注意しましょう。伝統工芸品指定の紬産地の中でも自分達のバッタモンを作っている不届き者もありやなしや。然るべき流通経路を辿った品こそが信用できる品といえるのであります。

話は外れましたが、一人で糸作りから糸染め、織りまで全部行う「作家」さんは、工房を他県に引っ越しても、バッタモンになるわけではありません。そんなわけで、紬の種類が多くて混乱しますが、それぞれに個性があるのが紬の良さですし、個性がある紬が生き残っているともいえます。浜松にも個性的な紬がありました、今も残っているものもありますが、温暖化の昨今には出番の少ない紬かもしれません。

紬は染め物と違って、織り物なので比較的素朴な感じになります。風合いも柔らかく温かみがあります。また、同じ糸を使っても織り手によって風合いが変わったものになります。そんなふうに優しさの中にも個性が豊かに育ってほしいと思って、紬ちゃんと名付け他のでしょうか?たぶん、、違うと思います、、。

写真は、織りの紬で文様を表現するには、織る前に糸を染め分けてから織るという高度な技術が必要ですよという一例で、右が拡大写真。

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