ひとえ・夏もの

単衣は6月と9月、夏物は7月と8月というのが基本です。。暑いのに袷ものでは着る方も見る方も違和感があります。また逆に、温暖化の昨今は本来は袷の時期でも袷が暑くて気持ち良くきられないという事もしばしばございます。御稽古ごとや礼装など基本に従う理由が無ければ、気候に合わせて単衣ものを上手に取り入れてもよろしいと思います。早ければ4月から、あるいは11月でも色や素材によっては季節感を損なうことなく単衣が着られます。京濱では単衣ものも充実しております

単衣の訪問着・付下・小紋
単衣の時期ならではの柄がございます。萩、撫子、紫陽花、菖蒲、鉄仙、女郎花、芙蓉、などです。単衣の着物に梅や桜が描いてるものがあったりしますが、季節感を大切にする着物にはふさわしくありません。逆に雪の結晶などの柄を描いて、あえて涼を呼び込むというのは楽しい手法です。京濱の着物は単衣ならではの爽やかな風合いの生地に単衣の時期ならではの柄を描いております。

単衣の無地・江戸小紋
単衣の無地はサラッとしていて涼感のある生地がおすすめです。シボのある楊柳などが人気です。単衣のもうひとつのポイントは裏です。単衣には裾の裏に八掛という裏地がありません。生地の裏が見えます。歩くとその裾裏がチラチラ見えますが、その裏が表と違う色で染めてあるものはお洒落です。江戸小紋のは基本的に表地のみの染めになり、裏は白なのですが、単衣にする場合は裏地も染めます。

単衣の紬・織物
紬にも単衣時期用の紬もございます。縮み紬といわれるもの。縮結城、縮士乎路、本塩沢、白鷹などです。強く撚(よ)りをかけた糸で織り、撚りをもどらせて生地を縮ませます。するとこまかな畝(うね)ができて風通しが良くなりシャリ感のある風合いになります。5月から6月、9月から10月に快適です。常時取り揃えております。

単衣の襦袢
襦袢は中に着るものですが、女ものの場合は袖の振りから襦袢が見えます。袷の襦袢の袖の裏は裏地ではなく、表の生地を裏にも使って仕立てますので、袖の振りから覗く生地は表の生地と同じものが見えます。単衣の襦袢は裏地がないので、表の生地の裏がみえます。なので、裏まで表と同じように染まっている生地を使います。半衿は塩瀬、または楊柳素材のものを使います。最近、絹の襦袢で新しい織組織が開発され、居敷当てがなくても生地が裂けないものができました。居敷がないぶん涼しく着られます。

夏の訪問着・付下・小紋
夏とは盛夏、つまり7月8月のことで(9月も暑いので9月10日くらいまでは夏物でもいいとされています)この時期の着物の生地は絽や紗など透ける素材になります。

夏の無地
夏の無地は絽以外にも様々な地紋のある生地がございます。用途によっては絽が適している場合もありますが、地紋のある生地も楽しいです。金糸、銀糸を織り込んだ生地は涼感とコシがあり夏の時期向けです。地紋のある生地はコートや羽織など羽織ものにすれば4月から9月ごろまで着られます。京濱では常時各種生地、色を取り揃えております。

夏の紬・織物
盛夏時期の織物には夏大島、夏塩沢などがあり、上布と呼ばれる麻(苧麻)素材には越後上布、宮古上布がございます。他に芭蕉布、能登上布や小千谷縮みなどサラリとしていてフワッとしている個性的な織物がございます。綿や麻素材のものはご自宅で水洗いができますので、普段使いには人気がございます。京濱では京濱好みの夏素材をコレクションしています。

夏の襦袢
盛夏の襦袢は絽や紗のものになります。半衿は絽が基本です。麻の素材のものも盛夏に向いています。麻は洗えるので半衿も麻のものをつけます。洗える絹の半衿もございますので、こちらもつけたまま洗えます。麻の襦袢は絽でない平織のものは単衣時期または袷時期にもお使いになられる方が多いです。

単衣・夏の帯
袷から単衣への移行時期は透けない素材、単衣と盛夏にかけては透ける素材。気候が変わりやすい時期はその日の状態に合わせてセレクトしたいものですね。透けなくても涼感のある帯、透けて夏らしい帯、夏でも早めの夏は明るく白っぽくしたい、晩夏は色を濃いめにしたい、などなど、、。帯は季節感を表現するキーアイテムです。京濱では、様々なご要望にお応えできるように取り揃えております。

単衣・夏の帯〆・帯揚
帯〆や帯揚も、単衣向き、夏向きがございます。透け感がポイントですが、透けすぎているものは単衣に向かない場合もございます。京濱では、フォーマルもカジュアルも単衣向きも夏向きも常時揃えております。