アゲアゲ締め

帯〆の締め方問題は時々話題になります。
その多くは、右上位か左上位かなんですが
どっちが正しいかというと、どっちでもいいんじゃね?
的な無関心な意見も多いです。ただし、
着物の前あわせは、逆にすると死んだ人になるので
そこは、どっちかに決まっているという主張も
ごもっともであります。

で、右上位か左上位というのは、
結び初めに右手のほうを上にするか
左を上にするか、で違ってきますが
着物の前合わせのように左手を上にして締めると
写真の様になり、京濱はどっちかというと
こっち派(左上位)であります

で左上位にも締め方が二つあって
写真の上と下はよく見ると違います
上は帯締めの端が上に向いていますが
下のほうは下に向いています

雑誌の写真などでは、ほとんどが下向きです
右上位でも左上位でも下向きが多いです
着付けの教科書にも下向き解説が多いように思われます
上向きの締め方は、水引の締め方に似ています
水引の結び切りは両端が真上に向かって終わります

弔事の水引も上に向かって伸びて終わりますが
弔事の水引は右上位です。
(印刷のものには左上位のものもあります)
となると、帯締めの正統派は「左上位の上向き締め」
ということになるのでしょうか?

自分にのし紙をかけて、水引を締める的に考えるとそうなります
でも、古典芸能である歌舞伎で、女方演者の着物では
右上位の帯締めが多い。
何が正しいのでしょうか?

そもそも論で言えば、帯締めが登場したのは江戸末期
お太鼓結びが生まれたときにできたわけですが
お太鼓を考案したのは、深川の芸者さんです
お遊びの延長のカッコつけから生まれたので
そこは格式とは無関係の世界です
ですから、右でも左でも上でも下でも
そんなのカンケーねー
だったのでは、、。

というわけで、京濱は
どっちが正しいかといえば、どっちもアリ的立場ですが
左上位の上向き(アゲアゲ締め=私の呼び方)は
縁起が良さそうで、気持ちが良いですね

アゲアゲ締めの締め方は
結びはじめのとき、左側と右側を真ん中で交差させますが
その時に左側を上にします。
かつ、それぞれの端が交差点から上(胸の方)に上がってくるように交差させます。(ここがポイント)
そのあとは普通に締めていただくと、できます。

隠し絵

4月の早い時期、とあるホテルに宿泊したら、暖房のみで冷房が稼働していませんでした。めちゃくちゃ暑い日でありましたが、ある公共施設の中も冷房はなく、施設内はムッとした空気でした。まだ4月だったので、扇子を持って行かなかったのですが、扇子があれば、もう少し、穏やかな気持ちで過ごせたと後悔しました。

例年、5月に袷を着て汗だくになったとか、6月の初めだからと単衣がないので、袷で出かけたら死ぬほど暑かったという事例を多くお聞きします。6月になっても、冷房が入っていないところもあるようです。熱中症で搬送されたというニュースが聞こえ始めておりますので、暑さ対策は怠らないようにしたいものです。

そういう意味では、扇子は必須の携帯品といえます。バッグに一つずつ装備しても良いかもしれません。私は9寸(曲尺=27cm)の大きな扇子を愛用しておりますが、風が強く、頼りになります。他にも扇子は色々と役に立ちます。話している途中に、話題を変える時には、扇子でテーブルを軽くバチンと鳴らしたり、扇子を箸のつもりでズーッズーッと蕎麦を食べてる真似したり、、、落語家か

5月に入り、京濱にも、今年の新作扇子が入荷いたしました。写真は、ちょっとした遊び心が入った扇子です。扇子を普通に広げても出てこないのですが、ある方向から開かないと出てこない面があり、そこに蝶が描かれております。この蝶は「隠し絵」というわけなのですが、なんのために、、。時々蝶々見て癒される?という方もいらっしゃるかもしれませんが、この蝶の下にメッセージを書いてプレゼントしたり、、とか、、忘れてはいけない番号を書いておくとか、、遊べそうです。

衣替え3.0

江戸時代の衣替えは、9月9日から3月末までは綿入れ、4月1日から5月4日までは袷、5月5日から8月末までは単衣・帷子(かたびら)、9月1日から9月8日までは袷。だったそうです。これは旧暦なので、太陽暦に直してみると、

今年の場合、10月17日から5月14日までが綿入れ、5月15日から6月17日まで袷、6月18日から10月8日まで単衣・帷子、10月9日から10月16日まで袷。となります

綿入れというのは、袷の着物の表と裏の間に綿が入っていたもので、昔は寒かったんでしょう。さらに重ね着までしていたんですから。そして、綿をとった普通の袷ものは、春は約1ケ月、秋はわずかに1週間。この短さは意味不明です。(この短い時期の袷ものを贅沢に作ったというオシャレ伝説があるそうです。)この袷ものへの切り替えの時期は、女衆は裁縫に忙しかったことでしょう。で、単衣・帷子、帷子というのは麻の単衣物で、絹の絽も単衣に含まれるのでしょうが、詳細は不明。

今は、江戸時代に比べて温暖化なので、5月半ばまで綿入れだったり、袷が6月中旬までだったりするのは、ありえないですが、10月上旬まで単衣というのは、むしろ現代に合っていますし、逆に不思議。暦が少し違っているのかな。

先日、クールビズが始まったというニュースがありました。クールビズは5月〜9月なのだそうです。6月と10月の衣替えはなし崩し的になっているかとおもいますが、着物の衣替えもアップデートしなければなりません。5月の今の時期、袷の着物は、ぶっちゃけ苦行です。

一番キッチリしている茶道会あたりが連合して、新しい衣替えを提唱していただくと、他が追随するのではないでしょうか?
11月〜4月が袷、5月〜6月が単衣、7月〜8月を夏物、9月〜10月を単衣とかにしていただくと現代の気候にあっているのではないでしょうか?10月いっぱいの単衣は地方によっては無理かもしれませんが、寒いということはないと思います、、、。