
重衿(伊達衿)は、着物の衿の内側に付けるもので、2枚でも3枚でも良いのですが、これを付けることによって華やかさが増すアイテムです。主に振袖や訪問着などの礼装に使います。その起源は、かつての重ね着のなごりともいわれています。
江戸時代の浮世絵などには、確かに何枚も着物を重ねて着ている人を見ることができます。それだけ寒かったのでしょうか?でも、たくさん重ねているわりに、足が素足だったりして、オカシイです。あの時代の人は着物に慣れていて足元の冷えには強かったのでしょう。
で、その重ね着、襦袢と表の着物の間に着る着物にも、暗黙の決まりがあって、表の着物が正装のときには、白絹の無地で、略礼装のときには小紋や縞だったといわれています。
その重ね着の簡略版が、留袖に使われる比翼仕立というもので、衿と裾周り、袖口に重ね着をしている様に見えるものを白生地で作って付けます。そのさらに簡略版が重衿(伊達襟)というわけです。
ですから、重ね着をする必要のない季節には、伊達襟は付けません。でも重衿は既に、装飾的意味が強く、また、お祝い事が重なるという縁起物でもあり、これを付けているから暑いわけでもない(見た目が暑苦しいという場合はあるかも)ので、単衣ものには付けていけないとう事もなく、また、袷のものには絶対必要かというと、スッキリが好みなら無くてもよいのです。
「4月から9月までは重衿はしないのが基本ですが、お好みで」というのが、京濱の重衿ガイドラインです。


