花冷え

4月のはじめに京都にいったら同業者さん、問屋さんから、もう単衣着てる?と挨拶もそこそこに聞かれました。その日着ていたのは袷で、プロだから袷か単衣は見れば解るだろと思いつつ、たぶんその日じゃなくて、その前、3月末に暑かったころの話を聞いているのかな?と一瞬返事を戸惑いましたが、みなさん口調的には「もう単衣着てもいいよね」的な感じで、3月4月でも単衣という、単衣の市民権拡大運動にあなたも賛同して頂戴ね、いつまでも袷は5月いっぱいなんて言っている頭の硬い着物警察(そんな人が実際いるのかどうかわからないけれど、、)に断固立ち向かうぞ〜という裏メッセージをお互いに確認しあうみたいな、そんな感じの挨拶がわりの短い会話を行く先々で交わしたなあという印象が残っております。

幸いその日は昼も夜も袷でも暑いという感じではなかったけれど、襦袢と羽織は当然単衣でしたので過ごしやすかったです。我が家の鉢植えの藤も早々と隣の桜と同じくらいに花が咲き、あっという間に散りました。それでも、4月に入ってどうなることかと思いきや、花冷えが続いており快適な今日このごろであります。

花冷えかあと思って庭をみれば若葉が茂っており、桜が終わったかと思えばそこら中で鮮やかな緑の葉が風に揺られて新緑の清々しい季節だと感じるのですが、この一気に葉っぱが作られることで、空気中の二酸化炭素が大量消費されて葉っぱになったのかなあ、それで二酸化炭素の量が減って温室効果が弱まり少し気温が低くなったんじゃないのか!という仮説を思いついてチャットGTPにちゃっと(浜松の方言で早速という意味です)聞いてみたら、あっさり否定されたんですが、それにしても植物のパワーはすごいなあと改て感心するのです。

それにしても藤がこんなに早く終わってしまうと藤の柄の着物や帯をいつ着たらいいんだ?てな事になってきますが、桜ほど散った後には着られないという感じでもないというのは、やっぱり桜というのは特別な存在なのかもしれません。