業界の闇と着物愛

アマゾンのキンドルのアンリミテッド月額980円は無料のおすすめ本を紹介してくれるんですが、たまに弊社がお世話になっている「きものサロン」なんかもあって、2000円の本とどっちがいいの?と思ってしまいますのと、これは発行部数にカウントされるのか?とか著者への印税はどうなってんのかと疑問に思うのですが、印税は読まれたページ×0.5円というから300ページくらいの本なら1冊150円になるので、紙の本の印税が定価の10%というから、そこそこ貰えるんだと思いつつ、最近のおすすめで「いつも着物でいたい」というのがありました。着付け教室のスタッフを経てリサイクル着物屋さんとして独立した方が著者ですが、着付け教室の厳しい現実を綴っておられます。着付け教室は教室という看板をかかげた呉服屋さんということがよくわかります。

普通の呉服屋との違いは、商品を自分たちで仕入れるのではなく、?な問屋からの?な商品を問屋のいわれるままに売ってしまっているのではないかといわれています。しかも販売員は教室の先生ですからお客さんも断りにくい。よくできたシステムです。

京濱は毎月京都に行って染め屋さん、織屋さん、問屋さんを回っています。京濱オリジナルを作ってもらうためと、奇跡の1点を探すため。奇跡の1点というのは、日本海の海岸を歩いて翡翠を見つける様な(やった事ないけど)、東北の山中の川砂を篩いにかけて砂金を探す様な(やった事ないけど)宝探しです。職人さんやメーカーは様々な動機でもの作りをしていて、世の中にないオリジナルを作ろうとか、超絶技巧を見てほしいとか、今の時代はこういうのを着てほしいとか、ならいいんだけど、売れればいいとか、中には粗悪な素材でいい加減に作っているなと思われるものもあったりします。そんな玉石混合の中から、色、柄、素材、風合い、値段など、京濱好みで、本当にお金を出してお客様に買っていただける価値のあるものを仕入れるために、既存の商品にはそれがなければ京濱オリジナルをつくるために、京濱という呉服屋の存在価値があるという思いで呉服屋をやっています。